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2009年7月 (July) - 中国 (上海) -
今回は上海レポートをお届け致します。Mochajava Cafe Park Sideスタッフと系列ショップのスタッフ十数名で上海を旅しました。目を引くようなCafeは残念ながら発見出来ませんでしたが、お茶の本場なので美味しい烏龍茶を味わうことが出来ました。日本とは違う作法などがあり、Asian Cafeを楽しむことが出来ます。
- 上海 -
世界都市「上海」、中華人民共和国の直轄市で、人口は重慶に次ぐ二位、中国屈指の経済都市になります。遡ること1840年、イギリスが清に密輸していた阿片を発端とした阿片戦争は1842年に清の敗北で終結するのですが、南京条約という不平等条約によって開港された上海には租界が形成され、外資に対して市場が開放されます。歪な形の中自由貿易が進み、やがて経済都市へと成長します。1997年、南京条約によってイギリスに割譲されていた香港島が中国へ返還されたニュースは実際に見られた方も多いと思います。歴史的背景は複雑なので簡略しますが、日清戦争 (1895年)、辛亥革命 (1911年)を経て清が消滅、日中戦争で上海は日本軍に占領されます。その後十五年戦争を経て中華人民共和国が成立、毛沢東時代は外資が離れますが、鄧小平の改革開放によって経済特区が設置されると再び外資が戻り、その後市場は目覚ましい経済発展を開始します。鄧小平時代は訪中したペレストロイカのゴルバチョフや、民主化を求めるデモに対し武力弾圧を行った六四天安門事件も外すことは出来ないと思いますが、大きなテーマになるのでここでは割愛します。興味がある方は是非歴史を遡ってみて下さい。また第139回芥川賞を受賞した「時が滲む朝」も中国民主化を目指した学生を主人公に、天安門事件を題材としている熱のある作品です。お薦めの小説なので、興味がある方は是非読んでみて下さい。その歴史的な背景を頭に入れておくと、今も尚発展の途上にある上海を別の角度で楽しむことが出来ると思います。近代的な高層ビル群の側には無秩序的な街並みがあったり、良し悪しは別にして途上にある温度というか、混沌とした風景に触れることが出来ます。
どれくらいの時間だったか定かではありませんが、機内で行われた新型インフルエンザの検疫に時間が掛かりました。躊躇いもなく客室乗務員に不満をぶつける乗客も居ましたが、一人一人体温測定機で検査を行う作業は不可欠なルールの一つなのでしょう。初め、全身防護服の検疫官が乗客の額にレーザーを当てる姿は大袈裟にも見えましたが、その後の感染拡大を知るにつれ、それすらが不十分であり、観光客の気軽さが時に致命的な間違いを起こすのだろうとも考えるようになりました。一頻り検疫が続いた後、ようやく入国審査へと向かいます。列には多くの外国人が並んでいて、壁に掲げられた巨大な五星紅旗が目に止まりました。赤は革命、黄色は光明、中国共産党の指導力を表す大きな星に対し、労働者、農民、小資産階級、愛国的資本家の4つの階級を表わす小さな星が向いています。団結を意味する赤い国旗を目の当たりにして、この国が社会主義国家なのだという実感がわいてきました。海洋国家の日本にとって国境は海にあり、領海や、未だ確定出来ない排他的経済水域だとイメージが難しく、他国の空港や港で初めて国境越えを実感出来るのだと思います。荷物を受け取り税関を抜けると、上海空港の到着ロビーは活気に溢れていました。短い滞在期間での上海の印象を象徴する風景が、既にそこに広がっていました。福岡と上海はかなり近いのですが明らかに風景が違います。
梅雨時の上海は強い湿気に覆われていました。山の稜線さえ見えない巨大な都市の上空はどこまでも曇っていました。上海の人口は約1800万人で、福岡市と比べても10倍以上になります。その巨大な都市が2010年の上海万博を控え至るとこで工事をしています。渋滞の規模も大きく、黄浦江の濁った水も含め霞んだ街並みが季節によるものか、排気ガスなどの光化学スモッグによるものなのか分かりませんでした。例えば日本も戦後から1960年代の高度成長期には四大公害病が社会問題となりました。国が成長する過程で起こる負の部分ですが、世界第三位の国土と世界最大の人口を持つ中国の場合汚染の規模が格段に違います。豊かな自然と深遠なる文化を持つ国だけに、環境汚染で濁る姿は出来る限り見たくないというのが率直な感想です。ただし残念の面もありますが、上海の街には活気があり、美味しい中国茶を味わうことも出来ます。瑞々しい烏龍茶の新茶や、様々な種類のお茶を中国の作法で楽しめます。例えば日本茶と烏龍茶の原材料はツバキ科の茶樹で同じなのですが、発酵の過程に違いがあって別種になります。発酵の過程と同様、嗜み方にも違いがあります。ちなみに発酵させない不発酵茶が日本茶、半発酵茶が烏龍茶、完全に発酵した発酵茶は紅茶になります。気候や地域によって多種多様、中国から来たお茶が時を経て日本の茶道となりました。長い歴史があって初めてルーツとして成り得るのですが、お茶にもルーツがあり歴史を遡ることが可能です。想像力を働かせてみると「わび」にも繋がるので、音楽と同様幅広く遊べます。例えば、一説によるとサルサはNYで生まれたのですが、キューバ革命後、キューバーとアメリカとの間に通商停止が無ければサルサの形は違っていたかも知れません。過去が変わることはありませんが、時代の潮流と文化には密接な繋がりがあって、意外な面白さに辿り着いたりします。お茶の歴史にもその可能性が含まれています。
地上での存在感が強い尖塔状のジンマオタワー、そのジンマオタワーを見下ろす上海環球金融中心、東方明珠電視塔も含め質感の異なる摩天楼が並ぶ浦東新区は現在の上海を象徴する地区なのだと思います。中でも世界一の高さを目指して挫折した上海環球金融中心は浦東新区を象徴する超高層ビルなのかもしれません。ある意味滑稽なのですが、展望台から望む夜景は綺麗でした。夜の景観を維持するため、上海市はPM22:00まで街中のビルをライトアップしているそうです。陽が暮れてから間近でビル群を眺めると確かにライトアップ用の明かりが点灯しています。規則的というか、平坦な光源なのでチープな感じはしますが、規模が大きいので綺麗です。ただし大量の光源で装飾したとしても都市の夜景は飽きやすい風景の一つですし、分厚い窓ガラスで区切られているので物足りなさがあります。きっと、夜景を見下ろすよりも面白い場所が数多くあるのだと思います。状況や時間的な都合もあって今回の上海レポートはこれにて終わりますが、機会があれば次回は市場など生活の匂いがする風景をお届けしたいと思います。最後に上海空港、空港では無線LANを捕まえることが出来ました。宿泊したホテルのインターネット環境は有線LANで一日30元程、通信速度は遅いADSLといった感じです。